公務員試験 H25年 国家専門職(教養) No.33解説

 問 題     

火山活動に関する記述A〜Dのうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

A:マントルの一部が溶けて発生したマグマは、まわりの岩石より密度が小さく、液体であるため移動しやすいので、上昇する。マグマは、一時、火山の下のマグマ溜りに蓄えられる。マグマには H2O や CO2 などの揮発性成分も含まれており、マグマ溜りの中でその圧力が高まると、岩石を打ち破ってマグマが地表に噴出する。

B:火山の噴火の仕方や形状は様々であり、マグマの粘性やその成分の量と関係が深い。マグマの粘性は、一般に SiO2 成分が多くなるほど小さくなる。粘性の小さな溶岩が流出してできるのが溶岩円頂丘(溶岩ドーム)であり、我が国では阿蘇山のものが有名である。一方、粘性の大きな溶岩が噴出して形成された火山を盾状火山といい、我が国では有珠山が有名である。

C:火山は世界各地に存在するが、ハワイのようにプレートの境界に存在する火山島を除き、その多くはプレート内部に分布するものである。我が国の火山は主に太平洋プレート内部に位置するが、活火山は桜島や雲仙岳、三原山など少数であり、大多数は100年以上噴火記録のない富士山や浅間山など活火山には分類されない火山である。

D:マグマが固まってできた岩石が火成岩であり、その固まり方によって多様な岩石ができる。深成岩はマグマが深いところでゆっくり固まったものであり、同じような粒度をもつ鉱物からなる等粒状組織を示すことが多い。一方、火山岩は、地表や地表近くでマグマが急速に冷えて固まってできたものであり、斑晶と石基からなる斑状組織を示す。

  1. A、B
  2. A、C
  3. A、D
  4. B、C
  5. C、D

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

記述 A は、妥当な記述です。

記述 B ですが、SiO2 とは、ガラスの主成分です。SiO2 成分が多いほど、マグマはドロドロします。すなわち、粘性が「大きく」なります。高温においてドロドロしているガラスをイメージするとわかりやすいと思います。よって、記述 B は妥当ではありません。

ちなみに、後半の記述は、粘性の大小が逆です。盾状火山は薄べったい火山で、粘性が小さい溶岩により形成されたものです。溶岩ドームは、粘性が大きい溶岩により形成されたものです。

記述 C ですが、ハワイは、プレート内部のホットスポットの代表例です。また、浅間山は活火山と分類されています。よって、記述 C は誤りです。

記述 D は、妥当な記述です。深成岩ーゆっくり固まるー等粒状組織、火山岩ー急速に固まるー石基と斑晶からなる斑状組織 という対応をぜひ見慣れておくとよいです。

以上より、妥当な記述は A,D です。正解は 3 です。

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