公務員試験 H25年 国家一般職(化学) No.16解説

 問 題     

中和滴定に関する次の記述の ㋐、㋑ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。ただしlog102 = 0.30 とし、混合に伴う水溶液の体積(密度)変化はないものとする。

「濃度不明の水酸化ナトリウム水溶液 20 mL に、0.20 mol/L の塩酸を 30 mL 加えると、水溶液の25 ℃でのpHは ㋐ となり、中和点を超えて酸性になっていることが分かった。

そこで、この酸性の水溶液を 0.010 mol/L の水酸化ナトリウム水溶液で滴定したところ中和点に達するまでに 20 mL を要した。以上の結果より、塩酸を加える前の水酸化ナトリウム水溶液の濃度は ㋑mol/L であることが分かった。」

㋐ ㋑

  1. 1.2  0.14
  2. 1.2  0.29
  3. 1.2  1.4
  4. 2.4  0.14
  5. 2.4  0.29

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

加えた塩酸 (HCl) は、0.2 mol/L で 30mL とあります。30 mL = 0.03 L です。つまり、0.2 × 0.03 = 0.006 mol の H+ を加えています。これが加えすぎで、過剰分が出てしまった。過剰分の中和に用いた NaOH は 0.01 mol/L で 20mL 要したとあります。20 mL = 0.02 L です。従って、0.01 × 0.02 = 0.0002 mol だけ H+過剰だったということです。
 
pH = -log10[H+] です。水素イオン「濃度」が必要です。H+ が過剰になった時、濃度不明 NaOH 溶液 「20mL」に、0.20 mol/L HCl 溶液「30mL」加えています。よって、全体は 50mL = 0.05 Lです。

この 0.05L の中に、過剰分の 0.0002 mol H+ があるのだから、濃度は 0.0002/0.05 mol/L です。分母・分子を 20 倍すれば、0.004 mol/L となります。「濃度」がわかったので、pH の式に代入して計算します。0.004 = 4×10-3 に直しています。

従って、pH = 2.4 です。正解は 4 or 5 です。

正解が 4 とすれば、㋑ の濃度が 0.14 mol/L ということです。すると、20mL で 0.0028mol となります。これだと、0.006 mol の H+ を加えた時に 0.0002 mol 過剰どころでは終わりません。もっと過剰に H+が余ってしまいます。よって誤りです。

以上より、正解は 5 です。

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