公務員試験 H25年 国家一般職(土木) No.33解説

 問 題     

図のような断面の単鉄筋コンクリート梁に曲げモーメント M が作用する場合に、コンクリート断面上縁の圧縮応力σc、鉄筋の引張応力σs の組合せとして最も妥当なのはどれか。

ただし、引張鉄筋断面積を As、コンクリート断面上縁から中立軸までの距離を x とする。

また、コンクリートに生ずる応力について、圧縮応力は中立軸からの距離に比例し、引張応力は考慮しないものとする。

※ c→compress,s→stress

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

「コンクリート」について考えます。大雑把に言えば、上半分の話です。コンクリート部分については下図のような曲げ応力(圧縮応力)分布になる。

次に「鉄筋部分」について考えると、σs として、引張応力が圧縮応力と同じ大きさで逆向きで働きます。

このσc及びσs という「偶力(力の大きさが等しく向きが同じ力のペア)」によるモーメントと作用する曲げモーメントMが等しくなります。

※ 偶力によるモーメントは「力×偶力間の距離」です。本問では偶力間の距離は「d – x/3」です。

まずσc について、

M = (σc × 1/2 × x) × b × (d – x/3)

が成り立ちます。従って

σc = 2M/xb(d – x/3)

となります。

また、σs について

M = σs × As × (d – x/3)

が成り立ちます。従って

σs = M/As(d – x/3)

となります。

以上より、正解は 3 です。

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