公務員試験 H24年 国家専門職(食品衛生監視員) No.1分析化学Ⅲ解説

 問 題     

Ⅲ 食品中に残留する農薬の含量を、ガスクロマトグラフィーにより得られた結果から、絶対検量線法又は標準添加法を用いて定量する場合がある。絶対検量線法及び標準添加法についてそれぞれ3行程度で説明せよ。

 

 

 

 

 

 解 説     

回答例)
絶対検量線法とは、濃度の異なる標準物質を数種類用意し、測定値と濃度の対応がわかる直線(検量線)を作成して、未知の分析試料中の目的物質の濃度を求める方法である。

一方、標準添加法は、共存物質の影響を除外できずうまく検量線を引けない時などに、未知試料に対して標準資料を数種類加えることで検量線を作成した上で、直線を外挿することで目的物質の濃度を求める方法である。

以下、関連事項について補足。 
ちなみに、検量線を用いた定量分析にはこの他「内標準法」が有名です。内標準法では標準物質に加えて「分析対象と性質が類似した他の物質」を用意します。こちらが「内標準」です。で、試料 及び 標準溶液 それぞれに内標準も加えて分析します。そして分析種と内標準物質の「測定強度比」を求めて検量線を引きます。

内部標準物質をうまく選ぶことで試料が受けた影響を相殺することができます。具体的には、サンプル投入時のロスや試料の蒸発によるロスです。このようなロスがあっても内標準物質も同様に減少します。そして、濃度比で測定しているため試料の減少を相殺することができます。

とはいえ、内標準物質の適切な選択に加え操作の手間が増えるというデメリットがあります。さらに、内標準物質が確実に定量投入されなければいけません。

コメント