公務員試験 H24年 国家専門職(食品衛生監視員) No.1分析化学Ⅰ(2)解説

 問 題     

(2)次の文章は、炭素・水素・酸素からなる芳香族化合物 X の分子式の求め方を説明したものである。㋐ ㋑ ㋒には適切な語句を、a~eには適切な数字を、Aには適切な分子式を入れよ。ただし㋐ ㋑ ㋒の語句は語群の中から選ぶこと。

「化合物X を10.8mg とり完全燃焼させると二酸化炭素30.8mg と水7.2mg が生成した。この完全燃焼により生成した二酸化炭素は化合物X の ㋐ 由来生成した水は化合物X の㋑ 由来である。

二酸化炭素中の㋐ の質量はamg水中の ㋑ の質量はb mg と考えることができる。㋒ の質量については化合物 X を10.8mg 燃焼させたことを考慮するとcmg となる。
この結果から原子数の比を求めると、C:H:O = d : e :1 となる。

また,化合物X について質量分析を行ったところその分子量が108であったことから化合物 X の分子式は A となる。」

<語群> 酸素,水素,炭素

 

 

 

 

 

 解 説     

化合物 X の組成式を、CxHyOz とおきます。完全燃焼の化学式は酸素を加えて二酸化炭素と水が生成なので、CxHyOz + aO2 → bCO2 + cH2O です。すると、二酸化炭素は、化合物 X の C,すなわち炭素由来です。また、生成した 水は、化合物の H 由来です。

二酸化炭素(CO2)中の炭素(C)の質量は30.8mg × 12/44 で求めることができます。計算すると 8.4mg です。同様に、水(H2O)における水素の質量は7.2 mg × 2/18 で求めることができます。計算すると 0.8mg です。

酸素の質量についてはX が 10.8mg だったのでX における C と H の質量を引けばわかります。すなわち、10.8ー(8.4 + 0.8)で求めることができます。計算すると 1.6mg です。

原子数の比は、それぞれの質量を原子量で割れば
C:H:O8.4/12 : 0.8/1 : 1.6/16 です。計算すると、0.7:0.8:0.1 です。酸素の比を 1 にするために、辺辺 10 倍すれば、7:8:1です。よって、組成式は(C7H8O)n と表すことができます。そして、分子量が 108 とのことなのでn = 1 です。よって、分子式は C7H8O です。

以上より、㋐ 炭素、㋑水素、㋒酸素
a 8.4
b 0.8
c 1.6
d 7
e 8
A C7H8O です。

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