公務員試験 H24年 国家専門職(教養) No.36解説

 問 題     

世界の資源等に関する記述として最も妥当なのはどれか。

  1. 石炭は製鉄用コークスの原料や火力発電の燃料として用いられている。石油と比べて埋蔵量が多く環太平洋地域に偏在している。我が国においては全国各地で良質の石炭が産出されオーストラリアやカナダに輸出されている。
  2. 希少金属(レアメタル)にはタングステンコバルトクロム等があり先端技術産業に欠かせない素材として重要である。これらの金属の生産は一つ又は少数の国に集中する傾向が強く例えばタングステンは2008年現在世界における生産量の7割以上を中国が占めている。
  3. 漁獲量を世界各地の水域別にみるとインド洋が最も多く、次いでカムチャツカ半島の沖から東シナ海にかけての北西太平洋である。これらの海域を流れる海流は暖流がほとんどで寒流との潮境が少なく魚類の成長に好条件であることがその理由として挙げられる。
  4. コメは熱帯から温帯にかけての地域が主要な産地となっている。近年東南アジア各国では大規模生産を行うことで生産が向上したが一方で人口増加に伴い国内消費量も増大し2008年現在タイに代わり米国が世界最大の輸出国となっている。
  5. 世界の森林面積のうち約半分は温帯林で残りは熱帯林と冷帯林である。熱帯林は古くから開発が進められ植林も行われて人工林が広く分布している。また冷帯林は世界の森林面積の約4分の1であり多くの樹種が得られることから主要な木材供給地域となっている。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが、日本は石炭を輸入に大きく頼っています。「オーストラリアやカナダに輸出」は明らかに誤りと判断できるのではないでしょうか。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、妥当な記述です。

選択肢 3 ですが、魚類の成長に好条件なのは、潮目です。すなわち、暖流と寒流のちょうど境目です。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが、コメの輸出量 1 位はインドです。かつての1位タイに代わっています。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが、古くから開発が進み、植林も行われているのは温帯林と考えられます。熱帯林ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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