公務員試験 H24年 国家専門職(教養) No.31解説

 問 題     

物体を液体中に入れると物体は重力だけではなく液体からの浮力を受けるようになる。浮力に関する記述として最も妥当なのはどれか。

  1. 浮力は物体の体積及び形状によって決まり同じ材質で同じ体積であれば表面積が大きいほど浮力が大きくなり球形のものの浮力が最も小さくなる。
  2. 浮力は水深に比例して大きくなり浅いところでは比較的弱い浮力しか働かなくても深いところでは強い浮力が働く。物体を深海まで沈めるためには大きな重量が必要である。
  3. 浮力は液体の密度に比例する。同じ物体を水の中に完全に沈めたときと比重1.2の食塩水の中に完全に沈めたときでは食塩水の方が1.2倍の浮力が働く。
  4. 鉄及びアルミニウムで同じ体積の球をつくりそれらを水の中に完全に沈めたとき密度の小さいアルミニウムの方に大きな浮力が働く。
  5. 図のように水槽を台ばかりに乗せ水槽の中に木でできた球を入れたところ球は浮いた。同じ条件でひもでつるした同じ体積の鉄の球を沈めていくとき台ばかりの目盛が木の球の場合と同じになるのは鉄の球の全体が沈んだときである。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

浮力の話なので、F浮力 = ρgV を思い出します。

選択肢 1 ですが、「形状」が明らかに誤りです。

選択肢 2 ですが、水圧との混同を狙った選択肢と考えられます。浮力は、式の通り水深とは関係ありません。

選択肢 3 は、妥当な記述です。式におけるρが、液体の密度です。

選択肢 4 ですが、浮力の式の密度は「液体の密度」です。よって、物体の密度は関係ありません。

選択肢 5 ですが、沈んでいる部分の体積が同じ場合に、同じ浮力が働き、目盛りが同じになります。

コメント