公務員試験 H24年 国家一般職(化学) No.28解説

 問 題     

図はある化合物の 1H NMR スペクトル、13C NMR スペクトル、IR スペクトルである。この化合物の構造式として最も妥当なのはどれか。


 

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

明らかに矛盾する結果に注目して、選択肢の正誤を判断していきます。以下の解説とは別のスペクトルに注目して各選択肢を判断しても、もちろんかまいません。

選択肢 1 ですが
1H NMR に注目すると「ーCH2ーCl」 の H 及び、「HーC≡Cー」 の H がそれぞれ3~4、1.5~3 ぐらいにピークが出ると考えられます。よって、4~5 ppm  のピークと矛盾するので誤りです。

選択肢 2 ですが
アルケンだったら IR で1500~1650 付近に特徴的な吸収が見られるはずです。IRの結果と矛盾するので誤りです。

選択肢 3 は妥当な構造です。

選択肢 4 は
IR に注目すると、ーOH 基がある場合の 3600~3200 の幅広い吸収が見られず、IR の結果と矛盾します。よって誤りです。

選択肢 5 は
1H NMR に注目すると、ーCOOH の H のピーク(10 ppm付近)が明らかに見られず矛盾します。よって誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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