問 題
我が国の古代から近世の文化に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1:大化の改新から藤原京の時代までの国風文化では『古今和歌集』が藤原公任によって編集され,この時期にうまれた仮名文字によって紫式部の『源氏物語』紀貫之の『竹取物語』などの作品が書かれた。
2:鎌倉時代には仏教の新宗派が相次いで誕生し法然や日蓮は「南無阿弥陀仏」と唱えるだけでは足りず造寺造仏や困難な修行が仏の願いにかなうと説いた。またこの時代に『太平記』や北畠親房の『神皇正統記』などの作品が書かれた。
3:15世紀後半の禅宗の影響を受けた東山文化では『新撰菟つ玖く波ば集』が宗祇によって編集され、水墨画の『四季山水図巻』が狩野永徳により描かれた。また禅宗寺院や将軍・大名・武士の住宅に寝殿造が採用されるようになった。
4:織田信長・豊臣秀吉の時代の桃山文化では『徒然草』『平家物語』『御伽草子』などの作品が書かれた。またこの時代は絵巻物の黄金時代といわれ『平治物語絵巻』『蒙古襲来絵詞』などが描かれた。
5:江戸時代後期には町人文化が成熟し絵画では浮世絵が最盛期を迎えて喜多川歌麿や東洲斎写楽が「大首絵」の手法で美人画や役者絵を描いた。また風景画では葛飾北斎が『冨嶽三十六景』を歌川広重が『東海道五十三次』を描いた。
解 説
選択肢 1 ですが「国風文化」とは、10C~11C 摂関政治期中心の頃の文化の話です。また、古今和歌集は by 紀貫之ら により編集です。そして、竹取物語については作者未詳です。いろいろと誤りです。
選択肢 2 ですが、少なくとも法然は「他力本願」です。明らかに誤りです。また、太平記は、舞台が南北朝時代なので明らかに時代が違います。太平記については日本最長歴史物語という点もポイントです。
選択肢 3 ですが、大体いいのですが、四季山水図巻は by 雪舟、水墨画 です。明らかに狩野永徳ではありません。
選択肢 4 ですが、桃山文化に徒然草、平家物語等ではないと判断できるのではないでしょうか。また、絵巻物の黄金時代は、平安~鎌倉時代です。
以上より、1~4が誤りなので、正解は 5 です。
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