公務員試験 H24年 国家一般職(教養) No.28解説

 問 題     

男女平等に向けた取組等に関する記述として最も妥当なのはどれか。なお文中の法律等の名称についてはすべて通称を用いている。

1 男女雇用機会均等法の制定以来、女性の働き方は変化を遂げてきた。これまでのパートやアルバイトといった非正規雇用から正規雇用への転換が進み、2010年には女性雇用者の7割以上が正規雇用となった。正規雇用で比較すると、男女の賃金格差も大幅に縮小し男性の給与水準を100とした場合、1990年には女性は約60であったが2010年には約85となった。

2 2010年に改正育児・介護休業法が施行され、妻だけでなく夫にも育児休業が認められるなど,男性の育児参加を促進する制度が導入された。これにより2011年度の男性の育児休業取得率は約5% に上昇し「イクメン」が流行語となった。今後は父母が同時に育児休業を取得することや専業主婦の妻をもつ夫でも育児休業が取得できる制度の導入が課題となっている。

3 業務上や通勤による事故で頭や顔首といった「外貌(がいぼう)」に火傷やけどや傷跡などが残った場合、労働者災害補償保険から障害補償給付が支給されるが、障害が同じ程度でも男性は女性より低く取り扱われ男女差が生じていた。これに対して不服を申し立てた裁判の判決を機に、2011年に外貌障害に関する障害等級の男女差が解消された。

4 世界各国の指導的地位における女性の活躍をみると英国やドイツなど欧州や南北アメリカ大陸の諸国では女性が大統領や首相に就任する例が数多く見られるがアジアアフリカではそのような例はない。我が国でも女性の閣僚や都道府県知事は存在するが首相のほか衆議院参議院の議長に女性が就任したことはない。

5 政治分野におけるポジティブ・アクションの手法の一つとして議席数のうち一定数を女性に割り当てるクォータ制があり憲法又は法律で導入している米国やEU諸国では国会議員における女性の割合はいずれも40% を超えている。一方我が国では2010年末現在で全国の地方議会議員における女性の割合は30% を超えているが国会議員における女性の割合は衆議院・参議院ともに5% を切っておりその少なさが際立っている。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

選択肢 1 ですが、「非正規雇用者の約7割が女性」という内容との混同を狙っていると思われます。女性雇用者全体のうち、半数弱が正規雇用者、半数強が非正規雇用者です。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが、男性の育児休業取得率は徐々の増加傾向にあり、ようやく 2017 年に 5% を超えたところです。 2011 年度ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は、正しい記述です。雑感ですが、男女平等が進む、というのは男性側の不平等が解消されることでもある、という観点は見落としがちではないでしょうか。この事例は非常に勉強になると感じます。自身がこの制度を見聞きした時に、違和感を感じていただろうか?といった意識を持ち、以降の学習や生活に活かしていきたいと思った選択肢です。

選択肢 4 ですが、「ない」があまりにも多く、一例でも反例があれば誤りなので、☓だろうと考えればいいと思われます。一例ですが、日本では土井さんが、衆議院議長になったことがあります。

選択肢 5 ですが、地方で 30% は超えておらず、衆議院・参議院は 5% は流石に超えています。(2018時点で、大体衆議院が 10%, 参議院が 20%)。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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