公務員試験 H24年 国家専門職(教養) No.28解説

 問 題     

我が国の消費者問題に関するA~Dの記述のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

A:平成21年に内閣府の外局として設置された消費者庁は、消費者行政の一元化を図り消費者行政の司令塔としての役割を担う行政機関である。消費者庁の設置に伴い、それまで消費者行政の中核的役割を担ってきた経済産業省の機関である国民生活センターは廃止されその業務は消費者庁に引き継がれた。

B:消費者庁と同時に設置された消費者委員会は、消費者行政全般に対して監視機能を有する独立した第三者機関である。同委員会は平成22年に自動車リコール制度について国土交通大臣に対し建議したのをはじめ、関係省庁に対して消費者政策に関する建議を行っており、平成23年には消費者安全行政の抜本的強化に向けた対応策について関係各大臣に対し建議を行った。

C:クーリングオフ制度とは、割賦販売訪問販売などで消費者が事業者の営業所以外の場所で購入契約をした場合に一定の期間内であれば違約金なしで契約解除ができる制度である。平成22年より従来クーリングオフできないとされていたテレビショッピングやインターネット通販など、自ら電話・郵便・インターネットなどを通じ申し込んだ場合にも適用され購入2週間以内であれば違約金なしに解約できることとなった。

D:平成22年に完全施行された改正貸金業法では、貸金業への参入条件の厳格化取立等の行為規制の強化などに加え個人の総借入残高を年収の3分の1以下に抑える総量規制が導入された。また貸金業法上のいわゆるグレーゾーン金利は廃止され出資法の上限金利が20%に引き下げられこれを超える場合は刑事罰が科されることとなった。

  1. A B
  2. A C
  3. A D
  4. B C
  5. B D

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

記述 A ですが、国民生活センターは、独立行政法人として現存しています。所管は消費者庁です。「廃止→消費者庁に引き継ぎ」ではありません。よって、記述 A は誤りです。

記述 B は、妥当な記述です。

記述 C ですが、テレビショッピング等には、クーリングオフ制度はありません。よって、記述 C は誤りです。

記述 D は、妥当な記述です。

以上より、妥当な記述は B,D です。正解は 5 です。

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