問 題
我が国における近年のエネルギー政策に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1. 我が国は平成32(2020)年度の温室効果ガスの削減目標として平成17(2005)年度比で25%削減とすることを掲げていたが国際社会で環境問題に向けた取組をリードしていくために平成26(2014)年9月の国連気候サミットにおいて平成17年度比で30% 削減とする新たな目標を宣言した。
2. LED 照明を含む高効率照明は白色電球より高効率・省エネルギーといわれ平成26年に閣議決定したエネルギー基本計画の中でその普及に関して明記された。また同年に明るく省エネルギーの白色光を可能にした効率的な青色LED の開発が評価され日本人がノーベル物理学賞を受賞した。
3. 太陽光、風力、バイオマス、メタンハイドレートなどによるエネルギーは、環境にやさしく発電効率が高い再生可能エネルギーと呼ばれ、平成24年現在我が国全体の発電電力量の約20% を占める。政府は同年に始まった固定価格買取制度の導入により平成32年までに再生可能エネルギーによる発電電力量を倍増させる計画を閣議決定した。
4. いわゆるシェール革命とは海底のシェール層に閉じ込められた天然ガスや石炭を取り出すことが技術革新によって可能になり世界のエネルギー需給や経済に大きな影響が及ぶことである。当初米国は環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の非締結国へのLNG(液化天然ガス)の輸出を禁止していたが我が国への輸出は平成25(2013)年に開始された。
5. 平成25年に電力システムに関する改革方針が閣議決定された。これに伴い同年に成立した電気事業法の一部を改正する法律を踏まえて平成26年4月より一般家庭を含め全ての産業における電気供給を自由化し電気の小売業への参入規制及び電気小売価格の規制を撤廃する新制度の運用が開始された。
解 説
選択肢 1 ですが、「2030年度に、2005年度比で 25.4%、2013年度比で26.0%」の削減目標を宣言しました。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は、妥当な記述です。
選択肢 3 ですが「発電効率が高い」わけではありません。また、まだ国全体の数%です。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが「シェール革命」とは、数百~数千メートル地下から天然ガスや「石油」が取れるようになったこと、及びその影響です。石炭ではありません。また「海底」と限られてもいません。(おそらくメタンハイドレートとの混同を狙った記述です。)
選択肢 5 ですが、「小売価格規制」は「一定期間規制継続」です。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 2 です。
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