公務員試験 H27年 国家専門職(食品衛生監視員) No.5公衆衛生学Ⅱ(2)解説

 問 題     

統計に関する次の記述のA~Hに当てはまるものを語群から選び出し、それぞれの番号を記せ。

A とB はいずれも重要な統計技術である。A とは標本から母集団の分布に関する正しい情報を得ようとする方法でB は母集団について述べた仮説の正しさを標本を用いて判定する方法である。

C 値とは帰無仮説が正しいのにこれを捨ててしまう確率を示す。C 値は検定統計量の外側部分の確率で0から1の範囲にあり有意確率を示す。有意確率が有意水準をD と検定統計量は棄却域に含まれ帰無仮説は棄却される。

有意水準とは帰無仮説を棄却する確率のことでE ともいう。通常F が目安とされている。G はデータのばらつきの指標である。H は平均値の精度をみるために用いる。

<語群>①検定、②推定、③P、④Q、⑤R、⑥無意、⑦有意、⑧危険率、⑨安全率、⑩標準偏差、⑪標準誤差、⑫不正確な、⑬正確な、⑭0.5、⑮0.1、⑯0.05、⑰上回る、⑱下回る

 

 

 

 

 

 解 説     

「標本から正しい情報を得ようとする」というのは推定です。例えば人口 10000 人の町の平均体重を知りたいので、10 人集めて体重計に乗ってもらって、平均体重が 83kg だったとします。この時、じゃあこの町の平均体重は 83kg だ、と結論付けるのは早計ですね。そこで、統計的に考えて、きっと 72kg~84kg の間だ、といった検討を行う技術が「推定」です。

一方、仮説として平均体重が 80kg であると考えた時に、正しいかどうか確かめるために町の人を 10 人集めて体重計に乗ってもらい、その結果を解釈する、というのが検定の一例となります。この際、標本平均が 40kg だったとすれば、さすがに仮説が間違っていると考えるのが妥当です。では、標本平均が何 kg であれば、仮説が妥当と考えるか、といった部分についての統計技術が検定です。

帰無仮説とは、ある仮説が正しいかどうかを判断するために立てる仮説のことです。「この仮説は否定されたいもの」であることが一般的です。「帰無」を「これはないだろうな~っていう」と読み替えると理解しやすいかもしれません。

偶然帰無仮説が正しくなるようなレアな確率を、有意確率と呼びます。有意確率 = P値です。 そして、有意確率が、有意水準以下であれば、帰無仮説を棄却します。有意水準としては一般的に 5%(=0.05),1%(=0.01) が用いられます。有意水準は危険率とも呼ばれます。

G,Hについては、語群から選ぶとすれば、標準偏差、標準誤差と考えられます。

以上より
A 推定 ②
B 検定 ①
C P ③
D 下回る ⑱
E 危険率 ⑧
F 0.05 ⑯
G 標準偏差 ⑩
H 標準誤差 ⑪ です。

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