問 題
半導体に関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。
「シリコンは価電子の数が ㋐ の原子である。純度の高いシリコンの単結晶では、隣り合う原子どうしが価電子を 1 個ずつ共有して結合している。高純度の半導体を真性半導体といい、自由電子と正孔の数は等しい。
シリコンの真性半導体に、ホウ素など価電子の数が 3 個の原子をごくわずかな割合で混ぜ合わせて結晶をつくると、原子が結合したときに価電子が足りなくなり ㋑ が生じる。この結果、結晶全体としては多数の ㋑ が存在することになる。このような半導体を ㋒ という。」
解 説
【シリコンの価電子数】
シリコンとは、ケイ素(Si)のことです。ケイ素は価電子が4です。㋐ は4です。ちなみに価電子とは、原子における最も外側の軌道に存在する電子のことです。
【半導体に関する基礎知識】
半導体は、電気を通す導体と、電気を通さない絶縁体の中間的な抵抗率を有する物質です。p は positive、n は negative の略です。positive つまり「正」の電荷を持つということは、電子が少し足りない「空隙」があります。negative つまり「負」の電荷を持つということは、電子が少し余っています(H27 no27 半導体)。
電子を不足させる場合、ホウ素(B)などの「価電子3個の不純物」を混入します。電子を受け取るので「アクセプタ」と呼ばれます。電子を余らせる場合、リン(P) などの「価電子5個の不純物」を混入します。電子を与えるので「ドナー」と呼ばれます。
【㋑、㋒ について】
価電子が足りなくなってできるものなので「空隙」です。選択肢の中から選ぶと「正孔」が適切です。多数の正孔があるのは「p 形半導体」です。
以上より、正解は 4 です。
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