問 題
純鉄に関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。
「図は、炭素をほとんど含まない純鉄を、融液の状態からゆっくり冷却していった場合の、純鉄の温度と時間の関係を表したもので、冷却曲線という。
純鉄を、融液の状態からゆっくり冷却していくと、約 1540 ℃ で凝固する。凝固した純鉄をさらに冷却していくと、約 1390 ℃ と約 910 ℃ で冷却曲線に変化が現れる。この変化は、純鉄の結晶の原子配列が変わる、すなわち、純鉄が ㋐ を起こすことを示している。
純鉄は、約 1540 ℃ から約 1390 ℃ まででは結晶構造が体心立方格子で ㋑ と、約 1390 ℃ から約 910 ℃ まででは結晶構造が面心立方格子で γ 鉄と、約 910 ℃ 以下では結晶構造が体心立方格子で ㋒ と、それぞれ呼ばれる。」
正解 (5)
解 説
常温における鉄は 体心立方結晶構造をしており、これを α 鉄、金属組織的にフェライトと呼びます。温度を上げると、面心立方結晶構造に変化し、これを γ 鉄、金属組織的にオーテスナイトと呼びます(参考 2019 no41 炭素鋼)。
従って、温度が低い所で体心立方格子と記述されている ㋒ が α 鉄 と考えられます。正解は 3 or 5 です。また、㋑ は δ 鉄です。
㋐ ですが
「クリープ」とは、持続して荷重がかけられた時にだんだん大きく変形する現象のことです。原子配列が変わることを意味する用語ではありません。㋐ は「変態」が妥当です。
以上より、正解は 5 です。
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