公務員試験 2019年 国家一般職(高卒 技術) No.41解説

 問 題     

炭素鋼に関する記述 ㋐,㋑,㋒ のうち下線部が妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ α 鉄に炭素を固溶した α 固溶体は,軟らかく展延性に優れており,フェライトと呼ばれる。

㋑ γ 鉄に炭素を固溶した γ  固溶体は,軟らかく靱じん性せいに優れており,オーステナイトと呼ばれる。

㋒ 固溶限を超えた炭素は鉄と反応して炭化鉄をつくり,これは,硬くてもろく,マルテンサイトと呼ばれる。

1.㋐
2.㋐,㋑
3.㋐,㋒
4.㋑
5.㋑,㋒

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

「鋼」とは
2% 以下の炭素を含む、鉄の合金
です。純度がとても高い鉄は脆いため、加工のしやすさから鋼がよく用いられています。

常温における鉄は 体心立方結晶構造をしており、これを α 鉄、金属組織的にフェライトと呼びます。温度を上げると、面心立方結晶構造に変化し、これを γ 鉄、金属組織的にオーテスナイトと呼びます。記述 ㋐、㋑ は妥当です。

マルテンサイトは
オーテスナイトを急冷させて得られます。体心立方格子の鉄に炭素が入り込んだ 固溶体です。焼入れと呼ばれる 加熱後急冷することにより硬化させる過程を通じて得ます。マルテンサイトと特徴は、硬く、脆いという点です。固溶限を超えてできる炭化鉄は Fe3C です。通常セメンタイトと呼ばれます。マルテンサイトではありません。記述 ㋒ は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

 

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