2020年 国家一般職(高卒 技術) No.13 物理 解説

 問 題     

摩擦力に関する次の記述の ㋐、㋑ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「図のように、水平な粗い床の上で静止している質量 4.0 kg の小物体に、水平右向きに外力を加え、外力の大きさを 0 N から徐々に大きくしていく。

この外力の大きさが 5.0 N のとき、小物体に作用する静止摩擦力の大きさは ㋐ であり、この外力の大きさが ㋑ を超えたとき、小物体は動き出す。ただし、小物体と粗い床との間の静止摩擦係数を 0.50、重力加速度の大きさを 10 m/s2 とする。」

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

H30 no12 物体と床との間に生じる摩擦力の大きさ f と外力の大きさ F の関係 と同テーマです。

【摩擦力に関する基礎知識】
物体が止まっている時には静止摩擦力が働きます。静止摩擦力を F静止摩擦 と表すと、静止摩擦係数 μ を用いて「F静止摩擦 = μN」 です。N は垂直抗力です。質量 m の場合、mg 下向きに重力作用します。これに対し接触面から受ける抗力が 垂直抗力です。

水平方向の力 F > μN になると、動き始めます。動き出すと動摩擦力が働きます。静止摩擦力と同様に、「F動摩擦 = μ’N」 が成り立ちます。

【小物体に作用する静止摩擦力】
質量 4.0 kg の物体なので、垂直抗力は 4.0 × g = 4.0 × 10 = 40 N です。問題文より、静止摩擦係数 μ が 0.50 なので、F静止摩擦 = μN = 0.50 × 40 = 20 です。そのため、外力が 20 までは 外力と同じ分だけ静止摩擦力が作用し、物体は動きません。㋐ は 5.0 N です。正解は 2 or 3 です。

【小物体が動き出す外力】
水平方向の力 F > μN になると、動き始めます。本問では外力が「20 N」を超えると動き出します。㋑ は 20N です。

以上より、正解は 2 です。

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