過去問 H30年 国家一般職(高卒 基礎)No.26解説

 問 題     

第二次世界大戦後のヨーロッパ諸国に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.フランスでは,ミッテラン大統領が第五共和制を発足させ,北大西洋条約機構(NATO)への加盟など,米国との連携を強める外交を行った。

2.英国では,戦後間もなく保守党のサッチャー首相の下で,英国の植民地であったバングラデシュの独立が承認された。

3.ハンガリーでは,ワレサが率いる自主管理労働組合を中心として,「プラハの春」と呼ばれる民主化運動が起こった。

4.ドイツは,戦後間もなく,米・英・仏・ソの4か国に分割占領され,その後,西ドイツと東ドイツに分断された。

5.オランダ,ベルギーなど 6 か国は,1950 年代に NATO を結成し,後にこれをヨーロッパ共同体(EC)へと発展させた。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが
第二次世界大戦後、フランスでは 1946 年に第四共和制が発足しましたが、小党分立状態が続き、内閣は短命で交代していました。その後、フランス植民地であったアルジェリアの独立問題対応を受け、第二次世界大戦の英雄ド=ゴールが、第五共和制初代大統領となります。「ミッテラン大統領が第五共和制を発足」ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
英国の植民地であったインド独立の際、宗教上の問題から分離独立したのがパキスタンです。そして、さらに言語の問題などから、東パキスタンが独立してバングラデシュが成立しました。「英国の植民地であったバングラデシュの独立が承認された」わけではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
「プラハの春」は、1968 年 チェコスロバキアにおける、ドブチェク政権による民主化運動です。ちなみに、ワレサが率いる自主管理労働組合は、ポーランドの民主化運動を支えた「連帯」です。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
戦後間もないドイツ分断についての記述です。

選択肢 5 ですが
オランダ、ベルギーなどが結成し、後に EC へと発展するのは、EEC(欧州経済共同体)です。NATO ではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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