問 題
我が国における計画と調整に関する次の記述のうち,妥当なのはどれか。
1.地域再生計画とは,地方公共団体の財政が悪化したときに,財政健全化を図る,まち・ひと・しごと創生法に基づく地方創生の仕組みであり,地方公共団体は,事前に設定された財政健全化基準を超えた場合に,この計画を策定することが義務付けられている。
2.高齢社会を迎えた我が国では,各種行政計画を策定する上で高齢者の意向とその変化を調査する必要があり,65 歳以上の高齢者を対象として,将来への不安や生活満足度を定期的に調査する国勢調査が行われている。この調査は, 5 年に1 回行われていたが,平成27(2015)年以降,マイナンバーを用いて,毎年行われることとなった。
3.地方公共団体は,市町村合併の基本的な考え方を定めた総合計画を策定する。財務省は,合併に向けた総合計画の達成可能性やその実現に必要となる経費を算出し,地方公共団体に対する地方交付税交付金の額を決定する。
4.平成13(2001)年に行われた中央省庁等再編では,内閣総理大臣の補佐体制を強化するため,内閣官房は,各省の対立を調整する総合調整の機能に加えて,企画立案の機能を有することとなり,その役割が強化された。
5.経済財政諮問会議は,平成30(2018)年に財務省に設置された合議制組織であり,毎年度,「経済財政運営と改革の基本方針」を策定,公表し,中長期の財政目標や予算の総額,公債発行額など,今後の財政の大枠を示し,予算を積み上げて決定するミクロ編成で重要な役割を果たしている。
解 説
選択肢 1 ですが
地域再生計画は、地域再生法に基づく仕組みです。急速な少子高齢化の進展等に対応し、地方公共団体が行う自主的かつ自立的な取組による、地域経済の活性化、地域における雇用機会の創出その他の地域の活力の再生を目的とした計画です。「地方公共団体の財政が悪化したときに,財政健全化を図る」仕組みではありません。また「創生法」に基づく仕組みでもありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
「国勢調査」は、統計法に基づき、日本に住む全ての人・世帯を対象として 5 年に一度実施する統計調査です。「65 歳以上の高齢者を対象」ではありません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
地方交付税交付金は、国が地方公共団体の財源の偏り調整のため交付するお金です。「総合計画を策定し、達成可能性や実現に必要となる経費」として決定されるものではありません。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
H13 (2001) 年の中央省庁等再編についての記述です。
選択肢 5 ですが
経済財政諮問会議は「内閣府」に置かれる合議制機関の1つです。(H28no9)。「財務省に設置」ではありません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 4 です。
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