公務員試験 H28年 国家一般職(行政) No.70解説

 問 題     

我が国の小学校における教科に関する次の記述のうち,妥当なのはどれか。

1.外国語活動は,昭和33(1958)年の学習指導要領の改訂により,教育課程の一領域として設置された。さらに,平成10(1998)年の学習指導要領の改訂で,外国語が第3 学年から第6 学年までを対象として教科とされ,現在は,英語,ポルトガル語,中国語から一つを選択することとなっている。

2.社会科は,昭和33(1958)年に新設された教科であり,民主主義教育の推進のための教科として位置付けられた。当初は第5 学年と第6 学年が対象とされたが,昭和43(1968)年の学習指導要領の改訂によって,第3 学年から第6 学年までの設定となった。

3.「道徳の時間」は,昭和33(1958)年の学習指導要領の改訂によって,教育課程の一領域として新設された。さらに,平成27(2015)年の学習指導要領の一部改訂によって,「道徳の時間」は,「特別の教科 道徳」(「道徳科」)として新たに位置付けられた。

4.国語科は,昭和26(1951)年の学習指導要領の改訂によって誕生した。それまで独立した教科であった「読書」,「作文」,「習字」,「会話」を統合したものである。当初は,第3 学年から第6学年までの設定であったが,昭和33(1958)年の学習指導要領の改訂によって全学年対象となった。

5.生活科は,昭和52(1977)年の学習指導要領の改訂によって,第1 学年から第3 学年までにおける家庭科と技術科を統廃合して新設された教科である。さらに,平成元(1989)年の学習指導要領の改訂では,第1 学年から第3 学年までにおける理科が廃止され,生活科として統合された。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

選択肢 1 ですが
2008 年 3 月に学習指導要領が改訂され、小学校 5、6 年生に小学校外国語活動が設けられることになりました。そして、2011 年の学習指導要領実施から、小学校における外国語活動が必修化されました。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
昭和 33 年に新設された教科は「道徳」です。社会科ではありません。社会科の新設は昭和 22 年です。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。
道徳についての記述です。

選択肢 4 ですが
「国語科」が誕生したのは1900(明治33)年です。昭和 26 年の学習指導要領の改訂によって誕生したわけではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
生活科は、平成元年(1989) 年の学習指導要領改訂により新設された教科です。昭和 52 年改訂によってではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

コメント