問 題
次は,評価者が陥りやすい誤りに関する記述であるが,A,B,Cに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。
A.共通に求められる基準による評価ではなく,評価者自身を評価基準として評価する傾向のことをいい,例えば,評価者の得意なことについては厳しく評価するが,逆に不得意なことについては甘く評価してしまうことが挙げられる。
B.二つの事柄が論理的に似ていると同じ評定をしてしまう傾向のことをいい,例えば,協調性のある人は,当然ながら社交的であると評定してしまうことが挙げられる。
C.学力検査や能力検査において,検査問題があまりに容易である場合,被検査者の多くが満点を取ってしまうなど,学力が優れている者と劣っている者を識別することができない誤りのことをいう。
A B C
1.対比誤差 近接誤差 天井効果
2.対比誤差 論理誤差 床効果
3.対比誤差 論理誤差 天井効果
4.逆算化傾向 近接誤差 床効果
5.逆算化傾向 論理誤差 天井効果
解 説
記述 A ですが
「自身を評価基準」として比較するがゆえの誤差なので「対比誤差」です。ちなみに、逆算化傾向とは、 最終評価だけを意識して評価し、各評価項目では実態と合わない評価や雑駁な評価をする傾向のことです。
記述 B ですが
「近接誤差」とは「直近の出来事が印象に残り、評価期間全体の評価が正しく評価されない」という現象です。協調性と社交性のように、論理的に考えてしまって、独立している項目について同一評価、類似評価をしてしまう現象は「論理誤差」です。
記述 C ですが
みんな上に詰まってしまって識別ができないのだから「天井効果」です。逆にみんな0点といった状態になって識別ができないのが「床効果」です。
以上より、正解は 3 です。
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