問 題
為替相場に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1.為替相場を、G7 主要 7 か国の間で決定して固定・維持する制度を固定相場制といい、各国の貿易収支に自動的に連動して変動させる制度を変動相場制という。
2.各国の経済成長率やインフレ率、経常収支などの経済の基礎的な条件をファンダメンタルズといい、変動相場制の下では、為替相場が変動する長期的要因とされている。
3.為替相場が変動した結果、円に対して外国通貨の価値が高くなることを円高という。一方、円に対して外国通貨の価値が低くなることを円安という。
4.為替相場の急激な変動を抑えるため、1980 年代のプラザ合意で、金とドルとの交換の廃止と固定相場制への移行が承認された。
5.為替相場の安定を目指し、2000 年代に締結されたブレトン・ウッズ協定により、国際通貨基金(IMF)とアジア開発銀行(ADB)が設立された。
解 説
選択肢 1 ですが
固定相場制とは、各国政府間で為替レートを固定・維持する制度です。「G7 主要 7 か国の間で」決定するものではありません。また、変動相場制は、為替レートを外国為替市場における外貨の需要と供給の関係に任せて自由に決める制度です。「各国の貿易収支に自動的に連動」ではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は妥当です。
ファンダメンタルズについての記述です。
選択肢 3 ですが
円安と円高が逆です。元々1ドル=100円だったとします。この時、1円= 0.01 ドルです。これが1ドル=10円(1円= 0.1 ドル)になるのが円高、1ドル=1000円(1円= 0.001 円)になるのが円安です。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4,5 ですが
金とドルとの交換の廃止と固定相場制への移行は、第二次世界大戦後のブレトン=ウッズ体制です。戦後の通貨安定のため、金ドル本位制度と固定為替相場制を採用しました。2000 年代の協定ではありません。選択肢 5 は誤りです。また、1980 年のプラザ合意は、米、日、独、仏、英の協調介入による ドル高是正への同意です。選択肢 4 は誤りです。
以上より、正解は 2 です。
類題 2020 no38 第二次世界大戦後の国際経済
https://yaku-tik.com/koumuin/2020-kousotu-38/
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