2023年 国家一般職(高卒 技術) No.25 電気基礎 解説

 問 題     

図のような三相交流回路において、線間電圧の大きさが V = 200 V、各相の負荷が抵抗値 R  = 20.0 Ω の抵抗であるとき、線電流 Il の大きさとして最も妥当なのはどれか。なお、必要であれば √3 = 1.73 を用いてよい。


1.3.33 A
2.5.78 A
3.15.0 A
4.17.3 A
5.30.0 A

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

【三相交流回路の基礎知識】
三相交流回路とは、単純な交流回路が3つ組み合わさっているものです。実体としては、回転する棒磁石が中心にあって、120° ずつずらしたコイルを置いていると考えればよいです。線間とは、3つのうち2つの間ということです。というのが、3つある回路のうち、それぞれの回路と考えればよいです。

三相交流回路は、電源側と負荷側という 2 つのフィールドがあります。電源側の回路図には、交流電圧が3つ書かれて、大体 △ か Y につながっています。負荷側には、3つの抵抗が置かれて、大体 Δ か Y につながれます。この Δ と Y はそれぞれ変換することができます。その際、電圧や電流について変換が必要になります。
‐‐‐

【三相交流回路の計算問題 基本的考え方】
三個の回路を同時に考えるのは難しいため、三相交流回路において、線間電圧とか相電圧が出てくる計算問題の定石は Y – Y を考えるです。すると、1相分を抜き出した簡単な等価回路を考えることができます。
‐‐‐

本問では、負荷側が Δ でつながっています。そこで Y に変換します。負荷側の Δ ー Y 変換では、抵抗が 1/3 になります。つまり、もともと各抵抗が 20 Ω だったので、20/3 Ω となります。これは知識です。電源側は問題文に指定がないため、Y につながっているとします。すると、以下のように考えることが出来ます。

電源側を Y につないでいる時、線間電圧は、相電圧の √3 倍です。これも知識です。従って、線間電圧が 200 であれば、相電圧 V は 200/√3 となります。

V = RI より
200/√3 = 20/3 × I です。I = 10√3 となり、√3 = 1.73 より、17.3 です。


以上より、正解は 4 です。

類題 2020 no25 三相交流回路
https://yaku-tik.com/koumuin/2020-gijyutu-25/

コメント