2023年 国家一般職(デジタル・電気・電子) No.36 解説

 問 題     

図のように、実効値 150 V の単相交流電圧源に抵抗値 6 Ω の抵抗とリアクタンス 8 Ω のコイルが接続されているとき、電圧源から供給される皮相電力と力率の組合せとして最も妥当なのはどれか。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

【3 つの電力と力率の基礎知識】
まず、電力といえば P = VI です。そして、交流回路において、抵抗で消費される電力が有効電力です。コイルやコンデンサで消費される電力が無効電力です。皮相電力とは、有効電力と無効電力の和のことです。ただし、単純な和ではなく、ベクトル和となります。力率とは、皮相電力と有効電力の比率です。


交流なので、全体のインピーダンスを求めます。まず以下の公式を思い出します。これは基礎知識です。

コンデンサはないので、1/ωC の項は無視します。コイルのリアクタンス X ですが、X = ωL を満たします。そのため、公式の ωL の所に 8 を代入します。すると、全体のインピーダンスは 10 なので、流れる電流は 15 A です。

抵抗で消費される電力である有効電力は、オームの法則 V = RI より P = VI = RI2 です。R = 6、I = 15 を代入すれば 6 × 152 = 1350 です。選択肢から「皮相電力 × 力率 = 1350」になっているのは 選択肢 4 のみです。


以上より、正解は 4 です。

類題 H27 高卒技術 no29 有効電力と力率
https://yaku-tik.com/koumuin/h27-gijyutu-29/

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