公務員試験 2022年 国家一般職(土木) No.30 解説

 問 題     

図のように、自立式の鋼矢板で土留めを行い、h = 5.0 m の深さまで砂地盤を掘削する。砂地盤の飽和単位体積重量 γsat を 20 kN/m3、水の単位体積重量 γw を10 kN/m3 とし、安全率 Fs を 1.5 とするとき、ボイリングが発生しないために最小限必要な鋼矢板の根入れ長 Df として最も妥当なのはどれか。

ただし、限界動水勾配 ic、動水勾配 i を用いて、安全率は Fs = ic/i で示され、鋼矢板の幅は無視できるものとする。


1. 1.00 m
2. 1.25 m
3. 1.50 m
4. 2.00 m
5. 2.50 m

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

ボイリングが発生することをクイックサンド現象といいます。クイックサンド現象では、「限界動水勾配」及び「動水勾配」を考えます。

限界動水勾配 (ic) については知識となります。(ちなみに「限界」なら「limit」なのになぜ c なんだろうと考えたのですが「臨界」という意味での「critical」ではないかと考えられます)。

問題文の値を代入すれば、ic = (20 – 10)/10 = 1 です。動水勾配 i は、水頭差/移動距離です。h/L です。本問での水頭差は h = 5 です。移動距離 L は、水の流れに沿って計算すると 5 + D + D なので 5 + 2D となります。従って、i = 5/(5+2D) です。

Fs = ic/i、Fs = 1.5 なので
1.5 = 1/(5/5+2D) 右辺の分母・分子に 5 + 2D をかければ

1.5 = (5+2D)/5
∴ D = 1.25 です。


以上より、正解は 2 です。

類題 H28 no28
https://yaku-tik.com/koumuin/h28-doboku-28/

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