2021年 国家一般職(高卒 技術) No.52 機械設計 解説

 問 題     

図のように、水平面と斜面とがなす角度 θ を自由に調整できる粗い斜面に小物体を置いた場合を考える。θ がある角度のときに、質量 1.0 kg の小物体を斜面に静かに置いたところ、小物体は静止したままであった。

小物体を斜面に置いたまま、θ をこの角度から徐々に大きくしていったところ、θ = θ0 を超えたとき、小物体は滑り始めた。このとき、小物体と斜面との間の静止摩擦係数 μ0 として最も妥当なのはどれか。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

物体が止まっている時には静止摩擦力が働きます。静止摩擦力を F静止摩擦 と表すと、静止摩擦係数 μ を用いて「F静止摩擦 = μN」 です。N は垂直抗力です。

本問では斜面と垂直方向に mgcosθ で力が働きます。そのため、物体には垂直抗力 N = mgcosθ が作用します。また、斜面方向の力が mg sin θ です。mgsin θ ≧ μN になると動き始めます。

θ = θ0 の時、静止摩擦力と斜面方向の力が等しくなると考えられます。
mgsin θ0 = μ mg cos θ0
∴ μ = sin θ0/cos θ0 = tan θ0 です。

以上より、正解は 5 です。

類題 2020 no13 摩擦力

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