問 題
ヒトの体内環境の維持に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1.肝臓は,血液中のグルコース(ブドウ糖)をグリコーゲンに合成して蓄えたり,グリコーゲンをグルコースに分解して血液中に放出したりすることで,血糖値を調節している。
2.体液の濃度調節において,肝臓は,イオンの濃度や水の排出量を調整し,腎臓は,血しょう中のタンパク質など,主に有機物の濃度を調節している。
3.血しょうに含まれる物質のうち,分子の大きなタンパク質や脂質は,腎臓内でボーマンのうへろ過されて原尿に含まれた後,必要な量だけ血しょう側へと再吸収される。
4.インスリンは,体内でできた有害なアンモニアを毒性の低い尿素に変える際に生成される物質で,肝臓で作られ,すい臓に胆汁の形で貯蔵・濃縮された後に,体外に排出される。
5.大脳で発生する熱エネルギーは,肝臓や筋肉で発生する熱エネルギーより大きく,体の全熱発生量の約 5 割を占め,体温の調節に役立っている。
解 説
選択肢 1 は妥当です。
肝臓に関する記述です。
選択肢 2 ですが
肝臓と腎臓が逆です。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
分子の大きなタンパク質や脂質は、大きくて通過しないため、ろ過されません。サイズバリアと呼ばれたりします。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
インスリンは、グルコースからグリコーゲンへの合成を促進するホルモンの一種です。膵臓で合成されます。肝臓で作られるわけではありません。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
脳で発生する熱エネルギーは、全発熱量の約 2 割程度を占めるとされています。正確な値を知っている必要はありません。「5割」は大きすぎるという感覚で誤りと判断したい選択肢です。
以上より、正解は 1 です。
類題 H26no24
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