問 題
波に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1.
図のような正弦波において,媒質が1 回振動するのに要する時間を周期といい,周期の単位にはヘルツ(Hz)を用いる。周期を一定とした場合,波長が長くなると波の速さは小さくなる。
2.直線上を互いに逆向きに進んできた二つの正弦波がぶつかると,エネルギーが相殺され,波長の小さい方の波が消えて,波の進む方向は波長の大きい方のものだけになる。この現象を張力という。
3.電磁波は,電気の波と磁気の波の総称である。波長の短い電波は電気だけの波であり,波長の長いX線は磁気だけの波であり,可視光線は電気の波と磁気の波が合わさった波である。
4.音は,媒質の種類によって伝わる速さが異なる。一般に,媒質が気体の場合が最も速く,次いで液体,固体の順である。真空の場合,音の速さは光の速さに近い。
5.地震波には,縦波(疎密波)であるP波と横波であるS波などがある。P波は,S波よりも波の速さが大きい。
解 説
選択肢 1 ですが
周期の単位は [s] です。second の略で、秒のことです。ヘルツ (Hz) を用いるのは、1秒間に何回振動するか を表す振動数です。振動数 f と 周期 T には、f = 1/T という関係が成り立ちます。
また、周期が一定であれば、波長が長くなると波の速さは大きくなります。波の速さを v とすると、v = fλ がなりたちます。この式を波の基本式と呼ぶこともあります。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
2つの波が同時に1か所にくると,互いに乱されることなく、重なり合って媒質に合成した振動を与え、その後は元通りの波にもどって進んでいきます。これを波の独立性といいます。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
電波は、電磁波の一種です。3THz以下の周波数(振動数)の電磁波が、電波です。「電波は電気だけの波」ではありません。また、X 線も、電磁波の一種です。「磁気だけの波」ではありません。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
音は、固いものほど速く伝わります。つまり、固体の方が早く伝わります。また、真空の場合、音は伝わりません。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は妥当です。
P 波が縦波、S 波が横波 はしっかりと対応づけて覚えておきましょう。
以上より、正解は 5 です。
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