公務員試験 2020年 国家一般職(教養) No.28解説

 問 題     

医療等に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.熱中症は,温度や湿度の高い中で,体内の体温調節機能が十分に働かなくなるなどして発症する障害の総称であり,特に,高齢者や子どもが熱中症になりやすいとされている。2018 年,文部科学省は児童・生徒等の熱中症対策として特別の交付金を創設し,全国の公立小中学校等への空調の設置を支援した。

2.エボラウイルス病(エボラ出血熱)は,エボラウイルスによって引き起こされる,空気感染が主な感染経路である致死率の高い感染症である。2019 年には,中国での流行に対して世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言したほか,我が国でも感染者が確認された。

3.麻疹(はしか)は,麻疹ウイルスによって引き起こされる感染症である。ワクチンが存在しないため,近年世界的に感染が拡大しており,我が国でも毎年春から初夏にかけて流行がみられる。感染力が非常に強いが,感染経路が空気感染ではなく飛沫感染であるため,手洗いやマスクが有効な予防法である。

4.手足口病は,原因となるウイルスが複数存在する感染症で,手足や口に発疹が現れ,両側の頬が腫れるのが特徴的な症状である。子どもよりも大人が発症しやすく,我が国では毎年冬を中心に流行し,とりわけ2019 年には大規模な流行がみられた。

5.がんの新たな治療法として近年注目されているがんゲノム医療は,がん患者の遺伝子変異を調査・特定し,その遺伝子に重粒子線を繰り返し照射して破壊することでがんの治療を行うものである。非常に高額な治療法であり,2019 年末現在,我が国の公的医療保険の対象とはなっていない。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
熱中症に関する記述です。

選択肢 2 ですが
エボラウイルス病は空気感染しません。又、2019 年中国で流行したわけではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
麻疹(はしか)にはワクチンがあります。また、感染経路は空気感染します。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
手足口病は、大人よりも子どもが発症しやすく、流行は夏季です。「子どもよりも大人」、「毎年冬」ではありません。ちなみに、原因ウイルスは、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスなどです。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
ゲノム医療とは、がん患者の遺伝子変異を調査・特定し、変異に対応した、効果が期待できる薬による治療を行うものです。「遺伝子に重粒子線を繰り返し照射」するわけではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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