問 題
次の A,B,C は,パーソナリティ検査(性格検査)の具体例と,その長所及び短所に関する記述であるが,それぞれの検査法の分類名の組合せとして妥当なのはどれか。
A.主題統覚検査(TAT)は,20 枚程度の図版を提示し,そこに描かれた人物に関する物語を被検査者に自由に作らせ,その物語の内容から性格を知ろうとする検査である。被検査者が意図的に結果を操作することが難しいという長所があるが,結果の解釈には熟練を要する上に,検査者によって解釈が異なりやすいという短所がある。
B.内田=クレペリン精神検査は,一列に並んだ一桁の数字の連続加算を,一行当たり1 分で前半・後半の15 分ずつ行わせ,各行の到達量,加算の誤り,飛び越しの有無などを総合的に評定することにより性格を知ろうとする検査である。被検査者が検査目的を察知できない長所があるが,限られた側面のパーソナリティしか測定できないという短所がある。
C.矢田部 = ギルフォード(YG)性格検査は,「抑うつ性」,「劣等感」,「神経質」などを含む12特性によって構成され,それらを評定することにより性格を知ろうとする検査である。手軽に実施でき多面的な診断が可能であるという長所があり,広く用いられている反面,被検査者の意図的な反応歪わい曲きょくに弱いという短所がある。
解 説
曖昧な図形や文章を呈示し,それに対する反応や解釈の仕方から,回答者のパーソナリティの特性を明らかにしようとする検査法を,投映法(投影法)といいます。(H29 no63)。記述 A の主題統覚検査(TAT) が該当します。他にはロールシャッハテストなどが代表例です。これにより、正解は 4 or 5 です。
あらかじめ用意された多数の質問項目に対し,「はい」や「いいえ」などの選択肢や,数段階から成る評定尺度を用いて,回答者に自己評定を行わせるパーソナリティの検査法が、質問紙法です。(H29 no63)。記述 C の矢田部=ギルフォード(YG) 性格検査が該当します。
以上より、正解は 5 です。
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