公務員試験 2020年 国家一般職(行政) No.39解説

 問 題     

ある人は,ライフサイクル仮説に基づき行動し,稼得期以降の生涯を通じて消費を平準化するものとする。この人は,稼得期の初期時点に 1000 万円の資産を持っており,稼得期の 40 年間に毎年 250 万円ずつの労働所得を得る。また,この人は引退してから 20 年後に死亡するが,引退後の所得は 0 であり,死後,子孫に 2000 万円を残すことを予定している。なお,利子率は 0 とする。

ここで,稼得期 30 年目の終わりにこの人が突然転職を決め,31 年目以降の残り 10 年間の労働所得が250 万円から 400 万円に増加するものとする。このとき,この人は 30 年目の終わりに 31 年目以降の消費計画を立て直すものとする。この場合,この人の 31 年目以降の残り 30 年間の各年の消費水準はいくらになるか。

1. 100 万円
2. 150 万円
3. 175 万円
4. 200 万円
5. 250 万円

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

ライフサイクル仮説とは、個人の消費行動が「生涯所得」をもとに決定されるという仮説です。反例として、「稼いだ分使い切るような、宵越しの銭は持たないスタイル」などが頭に浮かぶかもしれませんが、ライフサイクル仮説ときたら、生涯所得から現在の消費を決定する考え方 とするのがポイントです。

本問では、初期に 1000 万、稼ぐ時期に 40 × 250 = 10000 万なので、生涯所得 11000 万です。子孫に 2000 万残す予定なので、9000 万円を、人生の残り 60 年間で使うと考えます。そのため、9000 ÷ 60 = 150 万円が毎年の消費額とわかります。

転職により、生涯所得が変化しています。年収が +150 万なので、生涯年収で言えば 150 × 10 = 1500 万円プラスになります。このプラス分を、人生の残りの 30 年間で均等に消費すると考えればよいので、1500 ÷ 30 = 50 万円を消費に追加します。これにより、31 年目以降の残り 30 年間における、各年の消費水準は 200 万です。

以上より、正解は 4 です。
類題 H27no38

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