公務員試験 2020年 国家一般職(行政) No.33解説

 問 題     

価格を p,需要量を X としたとき,市場の需要関数が X = 100 – p で表されているとする。また,生産量を y( > 0),企業の総費用を C としたとき,企業の費用関数が C = y2 +25 であるとする。ただし,固定費用はサンク費用ではなく,全て回収できるものとする。また,市場が完全競争的であり,企業は利潤を最大化しているとする。さらに,どの企業も同じ費用関数を持っている。

このとき,各企業の市場への参入や市場からの退出が自由な長期において,市場に存在する企業の数はいくつか。

1. 10
2. 12
3. 15
4. 18
5. 20

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

H27no33 とほぼ同じ問題です。

ポイントは
「長期均衡」を考えているため、平均費用=限界費用
総費用の式が与えられた → x で割れば「平均費用」x で微分すれば「限界費用」
完全競争であれば、均衡点において「限界費用=価格」という 3点です。

総費用 C:y2 +25 より、平均費用は C/y = y + 25/y です。限界費用は dC/dy = 2y です。平均費用=限界費用を解くと、y + 25/y = 2y ↔ 25/y = y ↔ 25 = y2 です。y > 0 より、y = 5 です。

y = 5 を代入すると、限界費用 = 10 とわかります。完全競争の均衡点において、これが価格です。p = 10 です。需要曲線 X = 100 ー p に、p = 10 を代入することで、X = 90 とわかります。市場の全需要が 90 です。

さきほど求めた y は、1 企業あたりの生産量なので、5 × 企業数が全需要となります。つまり、5 × 企業数 = 90 です。従って、企業の数は 18 とわかります。

以上より、正解は 4 です。

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