2020年 国家一般職(高卒 技術) No.76 土木構造設計 解説

 問 題     

図のように、裏込め土が、それぞれ砂質土 A、砂質土 B、砂質土 C から構成されている同じ高さの三つの擁壁があり、それぞれ水平左向きの土圧 PA、土圧 PB、土圧 PC を受けている。このとき、PA、PB、PC の大小関係として最も妥当なのはどれか。

ただし、A、B、C の粘着力は全て無視でき、単位体積重量は全て等しいものとする。また、A、B、C の内部摩擦角の大きさはそれぞれ 35°、30°、25°とする。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

土の単位体積重量が同じなので「垂直方向の土圧」は A,B,C どれも等しいです。土圧では、垂直方向の力の方が、水平方向への力よりも大きく、垂直、水平方向の力の比が、土圧係数と呼ばれます土圧係数は、内部摩擦角が大きいほど小さくなると考えればよいです

「内部摩擦角が大きい」と、なぜ「土圧係数」が小さくなるか という点について、少し補足しておきます。

内部摩擦角が大きいとは「土が崩れにくい」といえます。そして、土の山による横向きの力とは何かといえば、土の山が崩れることによる力といえます。そのため、内部摩擦角が大きい → 土が崩れにくい → 横向きの力が相対的に小さい → 土圧係数が小さい という流れになります。

本問では、内部摩擦角の大きさが A > B > C なので、土圧係数は C > B > A の順になります。そして、水平左向きの土圧も C > B > A の順です。つまり、PC > PB > PA です。

以上より、正解は 4 です。

コメント