2020年 国家一般職(高卒 技術) No.36 コンピュータシステム技術 解説

 問 題     

無線 LAN に関する次の記述の ㋐ ~ ㋓ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

・無線 LAN には、アクセスポイントを経由してコンピュータどうしを接続する ㋐ モードと、コンピュータどうしを直接接続する ㋑ モードがある。

・無線 LAN では、アクセス制御方式として、伝送路が使用中でないと判断してから、さらにランダムに設定された一定時間を待ってデータを送信することで、衝突を回避する ㋒ 方式が使用される。

・無線 LAN の規格の一つである IEEE 802.11n では、送信側と受信側にそれぞれ複数のアンテナをもち、複数の独立した伝送路により多重通信する ㋓ が採用されている。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

㋐、㋑ ですが
「アドホック」「その場限りの」といった意味であることを知っていると、なんとなく選べるかもしれません。アクセスポイントを「経由せず」コンピュータ同士が直接接続される形式が「アドホックモード」です。㋐ がインフラストラクチャー、㋑ がアドホックです。正解は 4 or 5 です。

㋒ ですが
CSMA/CA が「Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance」、CSNA/CD が「Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection」の略です。データを双方向に送っている時の「衝突」を避けるための仕組みです。データ送信前に通信路が使えるか確認する仕組みが、前半の CSMA です。後半部分の CA や CD は衝突を避ける仕組みです。

CA:Collision Avoidance」は、通信路が空いているとわかってから、少し待つことで衝突を「避けよう」としている仕組みです。avoidance が「回避」という意味です。

CD:Collision Detection」 は、衝突している ということを探知したら、ちょっと待つことで解消を図る仕組みです。Detection が「探知」という意味です。記述は「・・・一定時間を待って・・・」とあるので、CA です。正解が4,㋓ は MIMO とわかります。

ちなみに、㋓ に出てくる用語ですが
MIMO が「multiple-input and multiple-output」の略です。送信機及び受信機に複数のアンテナを用いることで通信品質を上げる仕組みのことです。multiple が「複数」という意味です。SSID は「Service Set Identifier」の略です。無線 LAN のアクセスポイントにおける識別名です。「wi-fi の名前」と考えるとわかりやすいかもしれません。

以上より、正解は 4 です。

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