公務員試験 2020年 国家一般職(土木) No.27解説

 問 題     

開水路の流れに関する次の記述の ㋐、㋑ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。ただし、重力加速度の大きさを 9.8 m/s2 とする。

「幅 9.8 m の矩形水路に 8.0 m3/s の流量の水が 0.60 m の水深で流れているとき、この流れは ㋐ であり、比エネルギーはおよそ ㋑ m である。」

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

比エネルギーは、開水路において水路床を基準にとったときの全エネルギーを水頭の形で表したものです。E = v2/2g + z です。本問では z = 0.6 なので、E は 0.6 よりも大きいとわかります。選択肢 ㋑ から 0.69 だけが 0.6 よりも大きいので E = 0.69 です。㋑ が 0.69 なので、正解は 2 or 5 です。


流れが常流か射流かは、水深と限界水深を比べることで判断できます。限界水深 hc は 3√(Q2/gB2) で求めることができます。B は、断面幅です。

本問の設定では Q = 8.0、B = 9.8 なので、限界水深 hc = 3√64/(9.8)3 = 4/9.8 です。ほぼ 0.4 です。水深 0.60m の方が 限界水深 0.4 よりも深いため、流れは「常流」です。


以上より、正解は 5 です。

類題 H24 no27
https://yaku-tik.com/koumuin/h24-doboku-27/


ちなみに限界水深は覚えることを推奨しますが、微分に苦手意識がなければ、以下のように問題で出てきたら導いてもいいです。比エネルギーの定義は覚えている前提です。E の式を h で表せればよいので

E = v2/2g + h  に
Q = Av から v = Q/A と見て、さらに A = Bh とします。

E = (Q/Bh)2/2g + h
=Q2/2gB2 × h-2 + h

E’ = (Q2/2gB2) ×-2h-3 × 1 となります。

E’ = 0 を解けば、h = 3√Q2/gB2 です。

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