過去問 2019年 国家一般職(高卒 基礎)No.40解説

 問 題     

現代のヒューマニズムに影響を与えた人物に関する記述 A~D のうち,妥当なもののみを挙げているのはどれか。

A:シュヴァイツァーは,現代の人類は精神的退廃に陥っていると考え,新しい倫理的世界観の確立を求め続けた結果,「生命への畏敬」という理念を見いだした。

B:ガンディーは,最大の不幸は,誰からも必要とされていない,愛されていないと感じることだと述べ,貧しさや病気で苦しむ人々に対して,生涯,献身的な奉仕活動に打ち込んだ。

C:キング牧師は,第二次世界大戦後の米国において,人種差別の撤廃を訴え,非暴力主義をもって,公民権運動を指導した。

D:ロールズは,功利主義の思想を継承,発展させ,「公正としての正義」を提唱した。彼は,個人の自由を最大限尊重する「最小国家」が理想であると考えた。

1.A,B
2.A,C
3.B,C
4.B,D
5.C,D

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

「最大の不幸は、誰からも必要とされていない,愛されていないと感じること」と述べたのは、マザー・テレサです。ガンディーではありません。記述 B は誤りです。

ロールズは、功利主義を批判的に検討した、『正義論』の著者です。正義と善を切り離し、様々な善の構想に対し、中立的に制約する規範を正義としました。このように、正義が善の追求を制約しうる立場(正の善に対する優先権)を義務論的リベラリズムと言います。ちなみに、「最小国家」を理想と考えた人として、ノージックがあげられます。記述 D は誤りです。

・生命への畏敬 → シュバイツァー
・最大の不幸とは・・・ → マザー・テレサ
・非暴力主義 → ガンディー、キング牧師
・正義論、義務論的リベラリズム → ロールズ
・最小国家 → ノージック という対応を意識しておさえてましょう。

以上より、正解は 2 です。

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