過去問 2019年 国家一般職(高卒 基礎)No.35解説

 問 題     

世界の政治体制に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.英国では議院内閣制を採用しており,下院の多数党が内閣を組織し,内閣は,下院の信任の下で行政を行い,法案提出権を有する。

2.米国では,大統領と国会議員は,国民の直接選挙で選ばれる。大統領は,上下両院それぞれの 3 分の2 以上の賛成による不信任決議がなされれば罷免される。

3.ロシアでは権力集中制を採用しており,権力の分立はなく,共産党書記長が大統領を兼ね,行政府の長である首相を指揮して国政を運営している。

4.フランスでは連邦制を採用しており,地方政府は,独自の憲法を有し,連邦憲法で連邦政府の役割として定められている外交,通商,国防以外の全ての権限を持つ。

5.中国では,国家主席は国民の直接選挙で選ばれる。立法府である全国人民代表大会に対する解散権は,国家主席と共産党総書記の両方が有している。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
英国の議院内閣制についての記述です。

選択肢 2 ですが
米国大統領は、国民に対してのみ責任を有します。議会解散権はありません。一方で、議会も大統領を弾劾できません。つまり、議会が大統領を罷免できません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
ロシアは半大統領制をとっています。権力集中制をとるのは、中国、北朝鮮、ベトナムなどです。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
フランスは連邦制ではありません。また、地方の州が独自の憲法を有するといえば、ブラジルが代表例です。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
中国では,立法府である全国人民代表大会(全人代)によって、国家主席が選ばれます。国民による直接選挙では、ありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。
類題 H29no35

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