過去問 2019年 国家一般職(高卒 基礎)No.24解説

 問 題     

微生物等に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.微生物は,核を持つが DNA を持たない細胞から成る真核生物と,DNA を持つが核を持たない細胞から成る原核生物に大別される。大腸菌は真核生物で,パン酵母は原核生物である。

2.乳酸発酵は,乳酸菌が,酸素を利用して ATP から ADP への合成を行いエネルギーを得るものであり,その過程で乳酸が生成される。

3.食酢の主成分である酢酸は,植物や動物に含まれる細胞壁を酢酸菌が分解する過程で生産され,特に米やフナを原料としたものが品質が良いとされている。

4.地衣類は,菌類とコケ植物が一体となって生活する集合体であり,栄養塩類が乏しい環境でも生活できる。アオカビやシイタケは地衣類に分類される。

5.大気中の窒素を栄養分として直接利用できる生物は少ない。しかし,マメ科植物の根に共生している根粒菌は,窒素を植物が利用できるアンモニウムイオンに変えることができる。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

選択肢 1 ですが
真核生物は、DNA が核膜に覆われている真核細胞からなるという特徴を有します。一方、原核生物は、明確な核構造のない原核細胞からなります。共に DNA は有しています。また、大腸菌は代表的な原核生物である細菌の一種です。一方、酵母は代表的な真核生物です。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
発酵とは、微生物によって有機物(デンプン等)が分解され、特有の代謝産物を生成することです。原則として、嫌気的、すなわち、酸素を用いない形で進行する反応です。ちなみに、酸素が用いられる場合は、好気的 です。また、得られるのが ATP です。

選択肢 3 ですが
酢酸は、アルコールを原料として、酢酸発酵により生成されます。細胞壁を分解する過程で生産されるわけではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
地衣類は、一般にコケと呼ばれるものです。菌類の中でも、藻類と共生し、自活するものの名前です。アオカビやシイタケは菌類の一種ですが、藻類と共生しておらず、地衣類ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
マメ科植物、根粒菌に関する記述です。

以上より、正解は 5 です。



コメント