公務員試験 2019年 国家一般職(教養) No.30解説

 問 題     

祝日や休暇等に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.2017 年,天皇の退位等に関する皇室典範特例法が成立し,同法により,皇室典範の特例として,天皇陛下の退位と皇嗣である皇太子殿下の即位が実現することとなり,憲政史上初めて天皇が存命中に退位することとなった。また,即位に際し祝意を表するため,即位の日と,即位を国内外に宣明する即位礼正殿の儀が行われる日を,2019 年に限り祝日とする,即位日等休日法が2018 年に成立した。

2.我が国の国民の祝日の一つである体育の日は,1964 年10 月10 日に東京オリンピックの開会式が行われたことを祝して制定されたものである。同開会式の日程は,10 月10 日が我が国の無形文化遺産として登録されている二十四節気の一つであり,10 月の中で南中高度が最も高くなる晴れの特異日に近接していることを考慮して決定されたものであるが,2020 年に限り,体育の日は7 月の東京オリンピックの開会式に合わせて移されることとなった。

3.我が国では,2018 年,労働基準法が改正され,年次有給休暇の計画的付与制度が創設された。これは,労働者が主体的・計画的に連休の計画を立てられるよう,企業が休暇取得日を指定して割り振ることや,時間単位で休暇を取得させることを禁じるものである。違反した場合,企業には罰金が課せられる。また,年10 日以上の年次有給休暇が付与されている労働者については,年5 日以上の休暇取得が努力義務として課されることとなった。

4.我が国の年次有給休暇取得率は,従来より米国などと比べて低く,2017 年は約5 割であった。2018 年,働き方改革の表裏一体の改革として,休み方改革を推進する目的で,キッズウィークが導入された。これは,地方公共団体が,公立学校の夏休みなどに合わせて,その地域に居住する住民や事業所に適用される祝日を設定するものであり,近年,ドイツやフランスでは,キッズウィークの導入を契機として,バカンスと呼ばれる長期休暇が普及した。

5.2018 年,働き方改革関連法が成立し, 1 か月間の残業時間の上限が原則 100 時間とされる
とともに,勤務間インターバル制度が新設された。同制度は,残業時間が 100 時間を超えた月
の翌月に適用される緊急措置として終業時刻から始業時刻までの間に一定時間の休息を設けるも
のであり,その適用が常態化することを防止するための措置を講ずることが義務付けられた。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
天皇の退位等に関する記述です。

選択肢 2 ですが
10 月 10 日は、二十四節気の一つではありません。また、二十四節気中国が申請して無形文化遺産に登録されたものです。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
「時間単位で休暇取得を禁ずる」ものではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
バカンスが「近年 ドイツやフランスで普及」という点に違和感を覚えるのではないでしょうか。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
1ヶ月間の残業時間上限は、原則 45 時間です。また、勤務間インターバルは本試験時点において、努力義務です。「義務付けられた」わけではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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