問 題
コンクリート工事に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。
㋐ コンクリートの圧縮強度の検査には、一般に、材齢 28 日の標準養生供試体を用いる。
㋑ コンクリートは、材料を十分に混ぜることが重要であるため、150 分以上練り混ぜる必要がある。
㋒ コンクリートの圧送開始時に用いる先送りモルタルは、打込むコンクリートより水セメント比が大きいモルタルを使用し、型枠内に先行して打込むようにする。
㋓ 型枠を外したコンクリート面に豆板、空洞、コールドジョイントなどの不良箇所が発見された場合は、工事監理者等と協議の上、速やかに補修をする。
1.㋐、㋒
2.㋐、㋓
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓
解 説
記述 ㋐ は妥当です。
材齢は、コンクリート打設からの経過日数のことです。打設して4週間経過後で強度検査するのが一般的ということです。
記述 ㋑ ですが
コンクリートは練り混ぜから 120 分以内(夏季は 90 分以内)に打込まなければなりません。「150 分以上練り混ぜる必要がある」という記述は誤りです。記述 ㋑ は誤りです。
記述 ㋒ ですが
コンクリートを配管を通じて打設場所に送り込むのですが、いきなり管にコンクリートを流し込むのではなく、まず管にモルタルを流し込むのが「先送りモルタル」です。これにより、コンクリートの流動性を確保します。
コンクリートではないのだから、型枠内には流し込みません。「型枠内に先行して打込むようにする」が誤りです。先送りモルタルは、産業廃棄物として処理されます。
また、配管においてコンクリートと混ざることを考えると、水セメント比が大きい、つまり水っぽいものを用いると、後から来るコンクリートと混ざって薄まってしまう可能性があります。そのため「使用するコンクリートの水セメント比以下」のモルタルを用います。
㋓ は妥当です。
コンクリートの撹拌不十分や、高い所から一気に流し込んだりすることで粗骨材が集まった部分ができ、表面に豆が集まったような不良となるのが「豆板」です。空洞は文字通りの空隙です。コールドジョイントは、コンクリートを重ねた時に、打設間隔が空きすぎてできる「継ぎ目」、「不連続面」のことです。
以上より、正解は 2 です。
コメント