問 題
建築物の構造形式に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。
㋐ ラーメン構造とは、各節点で部材どうしを剛に接合した構造である。
㋑ ブレース構造とは、柱や梁などで構成された四角形の対角線上に部材を入れて、地震や暴風に耐えるようにした構造である。
㋒ シェル構造とは、建築物の内外の気圧差を利用して、薄い曲面の板だけで空間を覆う構造であり、室内気圧を低くして屋根の形を保つ。
1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋑、㋒
4.㋑、㋒
5.㋒
正解 (2)
解 説
㋐ は妥当です。
ラーメン構造ときたら、イメージとしては「Π」(縦の柱同士を横の梁でがっちりつなげたイメージ)が浮かべばよいです。「ラーメン」の由来はドイツ語の額縁を意味する「Rahmen」です。
㋑ は妥当です。
ブレース構造とは、柱、梁に加え「すじかい」(垂直材と水平材を斜めにつなぐ部材)が用いられる構造のことです。英語のブレースが「すじかい」という意味です。
㋒ ですが
シェル構造とは、貝殻のような曲面を持った構造のことです。気圧差を利用する構造ではありません。気圧差で屋根を支持するのは「空気膜構造」です。
「気圧差を利用して」の部分で判断できなくても、最後の部分「・・・室内気圧を低くして・・・形を保つ」が明らかに誤りです。
気圧が高い方から低い方に押しつぶす力が働くため、室内気圧を低くすると、外からつぶされてしまいます。室内の気圧を高くして、内側からつっぱるようにすれば形が保てます。イメージは、以下の通りです。
以上より
㋐、㋑ が妥当で、正解は 2 です。
コメント