公務員試験 2019年 国家一般職(高卒 技術) No.82解説

 問 題     

図のような荷重を受ける静定トラスにおいて、部材 A に生ずる軸方向力として最も妥当なのはどれか。ただし、軸方向力は、引張力を「+」、圧縮力を「-」とし、トラス部材の自重は無視するものとする。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

【引張力、圧縮力について】
トラスの各軸力について、引張と圧縮について思い出します。「→←」となったら「外からは引っ張られて」います。だからこれは引張力で+です。逆が圧縮力です。

【支点反力の計算】
まずは反力を求めます。両支点を、左が B、右が C とします。B における垂直反力を RB、C における垂直反力を RC とおきます。RB + RC = 3 です。対称性より明らかに RB、RC は同じ力なので それぞれ 3/2 kN です。

【節点法による軸力の計算】
軸力を「節点法」で考えます。B 点周りに注目します。斜めの部材について、部材 D とします。

点 B には上向き支点反力 RB が作用しているため、点 B における縦方向の力の釣り合いを考えれば、部材 D の軸力は下向きです。部材が斜めなので真下方向と真横方向に分けて考えます。真下方向の力が RB と釣り合います。従って、以下のように図示することができます。

部材 D の軸力を分解した時、図形的に直角二等辺三角形なので、縦の力と横の力の大きさは等しくなります。そのため、B 点は 部材 D から 左向きに 3/2 kN の力を受けます。

B 点における横向きの力の釣り合いに注目すれば、部材 A において、軸力が右向きで大きさは 3/2 kN です。

「部材 A 左端において右向きの力」であるため「→←」という組み合わせです。これは「引張力」、符号は「+」です。

以上より、正解は 1 です。
類題 H30no82(静定トラスの部材 A に生ずる軸方向力)

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