問 題
炭素鋼に関する記述 ㋐,㋑,㋒ のうち下線部が妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。
㋐ α 鉄に炭素を固溶した α 固溶体は,軟らかく展延性に優れており,フェライトと呼ばれる。
㋑ γ 鉄に炭素を固溶した γ 固溶体は,軟らかく靱じん性せいに優れており,オーステナイトと呼ばれる。
㋒ 固溶限を超えた炭素は鉄と反応して炭化鉄をつくり,これは,硬くてもろく,マルテンサイトと呼ばれる。
1.㋐
2.㋐,㋑
3.㋐,㋒
4.㋑
5.㋑,㋒
正解 (2)
解 説
「鋼」とは
2% 以下の炭素を含む、鉄の合金です。純度がとても高い鉄は脆いため、加工のしやすさから鋼がよく用いられています。
常温における鉄は 体心立方結晶構造をしており、これを α 鉄、金属組織的にフェライトと呼びます。温度を上げると、面心立方結晶構造に変化し、これを γ 鉄、金属組織的にオーテスナイトと呼びます。記述 ㋐、㋑ は妥当です。
マルテンサイトは
オーテスナイトを急冷させて得られます。体心立方格子の鉄に炭素が入り込んだ 固溶体です。焼入れと呼ばれる 加熱後急冷することにより硬化させる過程を通じて得ます。マルテンサイトと特徴は、硬く、脆いという点です。固溶限を超えてできる炭化鉄は Fe3C です。通常セメンタイトと呼ばれます。マルテンサイトではありません。記述 ㋒ は誤りです。
以上より、正解は 2 です。
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