問 題
排煙脱硫プロセスの種類、吸収剤・吸着剤として使用できる物質と副生物(処理方法)の組合せとして、誤っているものはどれか。
- (脱硫プロセス) (吸収剤・吸着剤) (副生物(処理))
- 石灰スラリー吸収法 炭酸カルシウム 石こう(回収)
- 水酸化マグネシウムスラリー吸収法 水酸化マグネシウム 硫酸マグネシウム(廃棄)
- アルカリ溶液吸収法 アンモニア水 硫安(回収)
- ダブルアルカリ法 水酸化ナトリウム 石こう(回収)
- 酸化吸収法 活性炭 硫黄(回収)
解 説
(1)は正しいです。石灰スラリー吸収法では、炭酸カルシウム(CaCO3)スラリーがSO2を吸収してCaSO3・1/2H2Oとなり、さらにこれを酸化させて石こう(CaSO4・2H2O)として回収します。
(2)も正しいです。水酸化マグネシウムスラリー吸収法では、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)を吸収剤として用いてSO2を吸収することで、亜硫酸マグネシウム(MgSO3)や亜硫酸水素マグネシウム(Mg(HSO3)2)が生成します。
このままMgSO3やMg(HSO3)2を含んだ水を放流してしまうと環境に悪い(CODが上がる)ので、これらを空気で酸化して、環境への負荷が少ない硫酸マグネシウム(MgSO4)まで反応を進めてから排水として放流します。
(3)も正しいです。アルカリ溶液吸収法では、吸収剤としてアンモニア水(NH3)を用いてSO2を吸収することで、硫酸アンモニウム(=硫安)((NH4)2SO4)や硫黄(S)が得られます。
(4)も正しいです。ダブルアルカリ法では、吸収剤として水酸化ナトリウム(NaOH)を用いてSO2を吸収することで、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)などが生成します。さらにこれを炭酸カルシウム(CaCO3)などと反応させて石こう(CaSO4・2H2O)として回収します。
(5)が誤りです。酸化吸収法は、酸化触媒を含む希硫酸でSO2を吸収することで、SO2をSO3に酸化させ、そして硫酸(H2SO4)として回収します。よって、吸収剤・吸着剤は「活性炭」ではなく「希硫酸」であり、副生物は「硫黄」ではなく「硫酸」となります。
以上から、正解は(5)です。

コメント
いつもありがとうございます
細かい所で気になったのですが
(5)の選択肢は副生物の「硫黄」だけでなく吸収剤の「活性炭」も誤りと考えてよいでしょうか?
そうですね、解説を追記しました。ご指摘ありがとうございます!