問 題
各種の嫌気処理法に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 嫌気ろ床(AF)は、付着汚泥、及び充塡材間隙に捕捉された汚泥を用いる発酵槽である。
- 嫌気流動床(AFB)は、自己造粒化したグラニュール汚泥を用いており、完全混合型発酵槽に近い。
- 上向流式嫌気汚泥床(UASB)は、上向流による排水の一過式流入、発生ガスの上昇による穏やかな攪拌下(弱い剪断(せんだん)力の働く条件)で処理を行う。
- グラニュール汚泥膨張床(EGSB)は、UASBの高負荷型システムである。
- 二相発酵槽システムは、加水分解や酸生成反応相とガス生成反応相を分離して行うメタン発酵システムである。
正解 (2)
解 説
(1)は正しいです。嫌気ろ床(AF)は、付着汚泥及び充塡材間隙に捕捉された汚泥を用いる押し出し流れ形の発酵槽です。
(2)が誤りです。嫌気流動床(AFB)は、粒状担体に付着した汚泥を用いた完全混合形に近い発酵槽です。よって、(2)に書かれている「グラニュール汚泥」と関連が深いのは、(3)や(4)にあるUASBのほうです。
(3)と(4)はともに正しいです。上向流式嫌気汚泥床はUp-flow Anaerobic Sludge Blanketの頭文字をとってUASBと呼ばれることも多いです。
UASBは、上向流による排水の一過式流入、発生ガスの上昇による穏やかな攪拌下で、自己造粒化したグラニュール汚泥を用いて嫌気処理を行います。ビール工場の排水など、高濃度有機排水の処理に適しているのが特徴です。
(5)も正しいです。二相発酵槽システムは、加水分解や酸生成の反応相とガス生成の反応相を分離して行うメタン発酵システムです。つまり、反応槽が2段構えになっています。
以上から、正解は(2)です。

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