R7年 大規模水質特論 問2 問題と解説

 問 題     

下図は、ある一級河川で観測された河川流量Q(m3/s)と全窒素負荷量L(g/s)の関係をプロットし、約10~約500m3/sの範囲の流量についてその関係を近似式で表したものである(rは相関係数である)。

この流量と負荷量の関係に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 図に示された流量と負荷量の関係は、L-Q曲線とよばれる。
  2. 図に示された流量と負荷量は、両対数グラフにおいて直線で近似できる。
  3. 図に示された流量と負荷量の関係は、L=aQbと記述でき、ここでaとbは正の係数である。
  4. 図に示された流量と負荷量の関係の近似式が成り立つ流量の範囲では、流量が10倍になったとき、負荷量は10倍以上増えることになる。
  5. 図に示された流量と負荷量の近似式を利用することで、測定値のない日における負荷量を流量から推定することが可能になる。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

(1)は正しいです。L-Q曲線とは、河川からの流入負荷量Lと河川流量Qとの関係を示す曲線のことです。一般的に、河川から供給されるCODや栄養塩の負荷は、L-Q曲線を用いて推定されます。

(2)も正しいです。問題の図を見てもわかるように、横軸・縦軸ともに10, 100, 1000…と対数になっているので両対数グラフです。また、そのグラフもほぼ直線となっているため、直線で近似できます。

(3)も正しいです。記述の通りL-Q曲線の近似式はL=aQbで表されます。今回の場合はグラフの右下にL=1.50Q0.97と書かれている通り、aとbは正の係数となります。

(4)が誤りです。グラフの右下にr=0.97と書かれている通り、このグラフの直線の傾きは0.97となります。つまり、横軸の流量が10倍になったとき、縦軸の負荷量は9.7倍になることがわかります。よって、「負荷量は10倍以上増える」というのは誤りです。

(5)は正しいです。この近似式を使えば、流量の値から負荷量を見積もることができます。

以上から、正解は(4)となります。

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