問 題
等速吸引に関する記述中、ア~ウの( )の中に挿入すべき語句の組合せとして、正しいものはどれか。
吸引速度が、ダクトを流れる排ガス流速より大きい場合、測定されるダスト濃度は真のダスト濃度より( ア )なり、等速で吸引してもプローブの向きが排ガスの流れ方向に対して傾いていると、ダスト濃度は真のダスト濃度より( イ )なる。
また、非等速吸引時の測定ダスト濃度の、真のダスト濃度との差異は、ダストの粒子径が大きいほど( ウ )なる。
- ア イ ウ
- 小さく 小さく 小さく
- 小さく 小さく 大きく
- 小さく 大きく 小さく
- 大きく 小さく 大きく
- 大きく 大きく 小さく
解 説
( ア )で、吸引速度が大きい場合、吸引ノズルの周りにある排ガスも引っ張られるため、吸引するガス量は増えます。一方、同じく周囲にあるダストは、ある程度の重みを持っているため、吸引により軌道を曲げられることなく直進します。この性質のことを慣性といいます。
もちろん、軽いダストは排ガスと一緒に引っ張られてしまいますが、余計に吸った排ガスの分のすべてのダストを吸引できるわけではないので、全体としては実際の濃度よりも小さく計測されます。
よって、( ア )には「小さく」が入ります。
( イ )については、下図を見ながら以下の解説文を確認してください。

排ガスの流れ方向と吸引ノズルの方向に偏りがない場合、上図左側のように吸引ノズルに排ガスとダストがまっすぐ入ってきます。一方で、偏りがある場合を図示したのが上図中央です。
ここで、傾きがあると排ガスをまっすぐ受け止める面積が減ります。そのことを表したのが上図右側です。排ガスが縦方向に流れるとすると、赤色のノズルのほうが排ガスを受ける幅が青色のノズルよりも狭くなってしまいます。
傾きがある場合でも、排ガスは軽いので吸引によってノズルに引っ張られます。しかし、一部の重いダストは吸引されきらずに吸引ノズルをスルーしてしまいます。ガスは吸引できる一方でダストが吸引できないので、測定濃度は真のダスト濃度よりも小さくなります。
よって、( イ )には「小さく」が入ります。
(3)で、非等速吸引時のダスト濃度測定における吸引速度は、ダストの粒子の大きさがないもの(=0)として考えています。
そのため、本当に粒子径が0なら(有り得ませんが…)、その誤差も全くありません。しかし実際には粒子径があるのでその分は誤差が生じ、その粒子が大きければ大きいほど、誤差も大きくなります。
よって、( ウ )には「大きく」が入ります。
以上から、
- ア:小さく
- イ:小さく
- ウ:大きく
となるので、正解は(2)です。

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