R5年 大気特論 問11 問題と解説

 問 題     

拡大Zeldovich機構に基づいたサーマルNOxの生成について、理論燃焼温度における生成NO濃度の空気比と滞留時間の関係性を例示したものとして、正しいものはどれか。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

サーマルNOxの発生量のグラフに関する出題は珍しいです。しかし、決して捨て問題ではありません。本問に対して正確に解答できる知識を持っている方は少ないと思いますが、見慣れない設問でも安易に捨て問題と判断せず、考えることでなるべく得点につなげてほしいと思います。

まず、選択肢(4)と(5)はU字型の曲線となっていますが、空気比を変えたくらいでNO濃度が無限に上がり続けるわけがありません。そもそも、縦軸は濃度なので、その限界は100万ppm(100%)です。よって、上限なく上がり続ける(4)と(5)は不適切であると判断できます。

さらに縦軸のNO濃度の値に注目すると、選択肢(1)では曲線の頂点が103ppmと104ppmのちょうど真ん中あたりにあるため、大体3×103ppmほどであることがわかります(片対数グラフの縦軸は均等ではありません)。同様に考えると、選択肢(2)と(3)の頂点は、約3×104ppmとなります。

ここで、1ppmは100万分の1、1%は100分の1なので、「3×103ppm=0.3%」、「3×104ppm=3%」が成り立ちます。

燃料を燃やしたら有害物質であるサーマルNOxが発生しますが、さすがにガス全体の3%も発生するのは多すぎる…と考えることができれば、頂点が約3×104ppmとなる選択肢(2)と(3)は不適であると判断できます。

よって、残る選択肢は(1)だけなので、これが正解となります。

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