R5年 汚水処理特論 問8 問題と解説

 問 題     

膜分離法に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 逆浸透法では、通常、対象とする原水の浸透圧の30%~50%程度の圧力を加える。
  2. スパイラル型の膜モジュールは、NF膜や逆浸透膜に用いられる。
  3. 全量ろ過式は、排水処理や海水淡水化に用いられることが多い。
  4. 次亜塩素酸ナトリウムを用いる薬液洗浄は、金属酸化物を対象として行われる。
  5. 電気透析法は、水溶性電解質ではない有機物の除去に用いられる。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

(1)は誤りです。逆浸透法では濃厚溶液側に浸透圧以上の圧力をかけて、水溶液中の水を半透膜を通して移動させます。そのため、「浸透圧の30%~50%程度の圧力」という部分が誤りで、正しくは「浸透圧以上の圧力」となります。

(2)は正しいです。スパイラル形の膜モジュールは、封筒状の膜をのり巻き状に巻き込んだものです。これは、NF膜(ナノろ過膜)やRO膜(逆浸透膜)に用いられます。

(3)は誤りです。全量ろ過式プロセスとは、文字通り全量をろ過する方式です。循環などはせずに膜に通すだけなので、単純な構造となっています。これでは大きめの懸濁物質を除去することはできても、海水に含まれる塩分(イオン)を充分に除去することはできません。

一方で、多段式プロセスは、全量ろ過式プロセスをいくつもつないだ方式です。段数を増やせば増やすほど水中の懸濁物質や塩分を除去できるので、海水の淡水化などの用途で用いられることが多いです。

(4)も誤りです。次亜塩素酸ナトリウムは膜分離活性汚泥法における膜の洗浄などに使われますが、これは金属酸化物を対象としているのではなく、生物膜や粘性のSSなどを対象としています。

もし金属酸化物を対象として薬液洗浄するのであれば、塩基性の次亜塩素酸ナトリウムではなく、酸性のクエン酸やシュウ酸などを用いると効果的です。

(5)も誤りです。電気透析法はその名の通り電気を流すため、水溶性電解質であるもの(溶解塩類)の除去に用いられます。一方で、水溶性電解質でないコロイド質や有機物は除去できません。

以上から、正解は(2)となります。

コメント