R5年 汚水処理特論 問6 問題と解説

 問 題     

活性炭吸着に関する記述として、不適切なものはどれか。

  1. 活性炭は、木材や石炭などの原料を高温下で炭化及び賦活化し、多孔質構造を形成させたものである。
  2. 活性炭は、高い比表面積を持ち、高い吸着能を有する。
  3. 活性炭は、その粒子径により粉末炭(1mm程度以下)と粒状炭(1mm程度以上)に分類される。
  4. 活性炭の賦活化には、高温の水蒸気と反応させる水蒸気賦活化法などが用いられる。
  5. 活性炭は、一般に、疎水性の強い物質ほど吸着しやすい。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

(1)は正しいです。記述の通り、活性炭は、原料(木材や石炭)を高温下で炭化及び賦活化することで、マクロ孔やミクロ孔といった多孔質構造を形成させたものです。

(2)も正しいです。(1)の解説の通り多孔質構造をしているので、比表面積が大きく、高効率の吸着能を有します。

(3)が誤りです。活性炭が粒子径によって粉末炭と粒状炭に分類されることは合っていますが、その境目は「1mm」ではなく「150μm」です。粒径150μm程度以下を粉末炭、150μm程度以上を粒状炭と分類しています。

これは重要知識というほどではないので知らなかったかもしれませんが、1mmははっきり目に見えるほどの大きさであり、これより少し小さい程度ではまだ全然「粉末」ではなく「粒状」といえます。粒子が大きいと吸着効率が悪いので、知識がなくても1mmでは大きすぎると判断したいところです。

(4)は正しいです。ややマイナーな知識ですが、活性炭を賦活化する方法は、900℃程度の高温の水蒸気と反応させる水蒸気賦活化法などが用いられます。

(5)も正しいです。活性炭はそれ自身、極性の小さなものです。吸着はファンデルワールス力によるもののため、極性物質(水など)よりも非極性物質(炭化水素など)との相性が良くなります。よって、親水性が強い物質ほど吸着されにくく、疎水性が強い物質ほど吸着されやすいです。

以上から、正解は(3)となります。

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